メルヘン・アートショップ

蜘蛛の糸の階段を 登りつづける現代人 / ft-6

今ぐらいの豊かさでは 満足できないという 心の不満・・

さらにさらにと 必死で 上の豊かさを追い求め 上ばかり見ていると 見えない足元が ガラガラと 音を立てて 崩れてきていますよ・・

これは アーティスト(芸術家)の 僕個人の意見です・・

現代人って 昔よりも 精神的に不安定なのでしょうか それとも 時代そのものが 昔より不安定な状態にあるのでしょうか 特に若い人の多くが 安定思考を目指しているように思います

今の若者が求めているのは 今の生活水準を落としたくない さらに もっと 豊かな生活がしたい と言う 強い欲求が はっきりと見えてきます 彼ら・彼女らからすると 今の 生活水準は すごく居心地の良いものになっているのでしょうが それは 自分の力で得た生活水準ではないのです 生まれた時から 与えられているもので それ以下の生活水準ってどんなものだったのかは 想像でしかないので 多分 想像すると 怖くなってしまうのでしょうね・・

今の生活基盤は 全て お金で成り立っていると 考えているのですね 何かを買うにも 何かをするにも まず お金がないとできない社会だと 認識しているのですね 反対に お金があれば そのほとんどが手に入る・・と 思ってしまっているのでしょう 何よりも大切なのは「金」と言うものに集約されている 社会という姿が はっきり見えてしまいます

そこにあるのは 自己責任という 社会の姿ですね 金を払えないやつは この社会で生きていくことはできない つまり お金が払えなければ 家に住むこともできないし 水や食べ物も買えないし 電気やガスも使えません

そんなことになったら 大変だから 必死で お金を稼ごうとします でも 頑張っているのに なぜか 自分が思うような収入にならないのが現状なのでしょうね

みんな 生活が豊かになった分 さらに 今よりも もっと豊かな生活(富裕層みたいな)をしたいと 願っているのでしょうね

できるだけ 稼ぎの良い仕事はないのかと ネットを使って探します・・が 大概 こうすれば稼げると言うのには 詐欺の匂いが「ぷんぷん」しますね こうすれば 儲かる(コンサル)とか これに投資すれば 絶対お金が増えるって 僕が そんな良い話を思いついたら 人に絶対話しませんね 自分一人で儲けようと思います 人に教えると言う時点で もうすでに 詐欺とかに近い感覚のように思ってしまいます

こうすれば儲かるノウハウ それは幻想ですよ 儲けたいのであれば 自分で独創的に考えるべきだと 僕は思う・・

楽して儲かる話など 今も昔も 絶対にありませんよ・・

お金をたくさん欲しいけれど 自分の金を使ってまでは嫌だと言う人がいますが そんな人に限って 詐欺的な投資話に乗っかって お金を取られてしまいます 金を使わずに 儲けたい人なのに 目先の金には目が眩んでしまうのですね 自分は 頭がよくて 人に騙される事はない・・と 思っている人こそ 騙す方は騙しやすいと思います 騙される対象の人は 普段から 上を目指して 金をもっと稼ぎたいとか思っている人なので この 経済社会にどっぷり浸かっている人 全部対象者ですね 騙す方の市場は 際限なく 広がっていると言う事です

もし 万が一 お金を必要としない社会になってしまったら 詐欺師さんの 職業は なくなってしまいます 押し込み強盗も銀行強盗もしなくなってしまいます となると 悪い奴が悪いのは当然ですが 社会のみんなで 悪いやつを育てる社会を創っているように 見えてなりません

こうして 考えてみると 今の社会も 未来の社会も 自分たちが 勝手な空想を して 創りあげているのだ と 言うことが見えてきますね どうしたら 社会が良くなり 人々は 心豊かに過ごせるのか そこに ヒントがあるように思います

天空の お釈迦さまが 蜘蛛の糸で創った階段を 蹴落としながら 上に登る人々・・

僕は メルヘン専門の画家です メルヘン画が専門だから どうしても 空想(イメージ)で物事を考えてしまう習慣が身についています 自分が持っているスキルが 空想や想像や独自な発想なのですから その スキルを使って 社会の動きを見てしまいます 例えば 僕は 日本画は勉強していないのですが 日本画の大家(巨匠)と言われる画家の絵を 美術館によく見に行きました 普通 美術学生や 絵が好きで描いていると言う人は あんな風に 描きたいなと 思われるのでしょうが 僕は 自分の持つスキルで描くのだったら どう言うふうに表現すれば良いのかな・・と 見ながら 考えてみます 自分というプリズムを通して考えてみるのです

僕は 小さい頃から 蜘蛛がとても苦手なんです 何本も足があるという姿が 怖いんだと思います 僕が若いいくつの頃だったか 芥川龍之介の「蜘蛛の糸」という小説を読みました 地獄へと落とされた人々の中で 一人の男に お釈迦さまが 丈夫な蜘蛛の糸を 天から 垂らします 糸を見つけた男は つかんで 上へと登り始めました

ひたすら上に登って行けば きっと 地獄から抜けられるぞ「やったー」みたいな 感じです 上は霧がすごくて何も見えませんが 男はひたすら 上へ上へと 糸をつかんで 必死に登っていきます ふと 何気なく 男が下を見てみると たくさんの地獄の人々が 自分が登っている 細い蜘蛛の糸に捕まって 必死で 上へ上へと 登ってくるではありませんか 男は とっさに そんな たくさんの奴らが 細い糸にぶら下がったら 糸が切れて 俺も お前たちも みんな また 地獄行きだ・・と 足で蹴落としてしまいます

その様子を 天上から見ていた お釈迦様は とても悲しくなって 蜘蛛の糸を 切ってしまいます 地獄びとは みんな また地獄へと 落ちていってしまいました

今 蜘蛛の糸の階段を おおきな お金袋を背負いながら 先頭で上がっている お金持ちが 無限の慈悲の心を 下からのぼってくる人々に 与えるべきなんです・・

上へ上へと お金がいっぱい詰まった 軽い袋を背負って 先頭で 階段を登っていく人々は 下から登ってくる人びとを どう思って 眺めているのでしょうか?

この蜘蛛の糸の階段には きっと いくつものレベルの 踊り場が あるのでしょうね 最下層の階段の踊り場で 一休みしている人々 その上の踊り場から さらに上を目指して登る人々 さらにさらに その上を登っていく人々・・・

でも もっと下を よく見てみてください なんだか 階段が 下から ガラガラと 音を立てて 上の方へ向かって 崩れていっているではありませんか そのうち あなたが いま登っている階段の 足元から 崩れていくかもしれませんよ・・・

つきのせいじゅ

お花でできたくじらの気球

アートのセンスは 目に見えませんが すごいパワーを秘めていることは確かです

飾るだけで ご自分の感性が磨かれます  きっと 心がやすらいだり その場にいると ホッとしたり なんだか 違う世界に入ったみたいになることが 大切なように思います

この絵は まあるい木の上で 妖精たちが遊んでいます 空には 大きなくじら型の気球が飛んでいたり 丸い木も飛んでいたりします

作品タイトル / くじらの気球が飛んでるよ

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